「iDeCo(イデコ)は節税効果があると聞いたけどお得なの?」と疑問を感じていませんか?
この記事では、40代サラリーマン年収400万円をモデルに次の条件から9パターンの節税効果を検証しました。
- iDeCo利用の有無
- 積立金の受取り方(一括・分割)
- 退職金の有無
このような方に参考にしていただけると嬉しいです。
では、iDeCoの概要を確認したうえで、どれくらい節税メリットがあるのか?を検証しましょう。
iDeCo(イデコ)とは?
iDeCoとは個人型の確定拠出年金のことで、国民年金や厚生年金などに追加して加入する年金制度です。
通常の年金であれば掛金と加入年数によって受給額が決定します。
しかし、iDeCoは自分で掛金を運用しその成果に応じた額を受け取るのが特徴の一つです。
では、もう少し詳しくiDeCoの仕組みを確認していきます。
1.掛金の限度額
サラリーマンの場合、勤務先の企業年金の加入状況にとって掛金が変わります。
確定拠出年金 | 確定給付年金 | 拠出限度額 |
ナシ | ナシ | 23,000 |
アリ | ナシ | 20,000 |
アリ | アリ | 12,000 |
ナシ | アリ | 12,000 |
掛金は月5,000円から1,000円単位で自由に設定が可能です。
お勤めの会社の加入状況は人事部か総務部にご確認下さい。
2.掛金の運用
通常の年金とは大きく異なり、iDeCoの最大の特徴が掛金の運用です。
掛金は次の商品から自分で選択して運用を行います。
- 元金保証型:預金、保険
- 元金変動型:投資信託
元金保証型の預金や保険でも節税メリットは受けられます。
しかし、受取りまでの期間が十分にある方はやはり投資信託がオススメですね。
投資でお金が増える仕組みを説明しています。こちらもご覧ください。
3.掛金+運用損益の受取り方
原則として60歳以降に運用成果に応じた金額を受取ります。
受取方法は3通りです。
- 一括受取り
- 分割受取り
- 一括と分割の併用
一括か分割で節税額が大きく変わります。
では次にどちらがお得か?節税効果どれくらいか?を検証します。
iDeCo(イデコ)40代サラリーマンの節税効果はいくら?
まずは結論から。
iDeCoを一括で受取るケースでの節税効果は次の通りです。
各ケースでの納税総額は次の通りです。
運用口座 | 退職金 | 資金化 | 納税総額 | |
ケース1 | iDeCo | 0万円 | 一括受取 | 5,056,300 |
ケース2 | iDeCo | 0万円 | 5年分割 | 5,137,400 |
ケース3 | 課税口座 | 0万円 | 全額売却 | 6,542,600 |
ケース4 | iDeCo | 500万円 | 一括受取 | 5,709,700 |
ケース5 | iDeCo | 500万円 | 5年分割 | 5,137,400 |
ケース6 | 課税口座 | 500万円 | 全額売却 | 6,542,600 |
ケース7 | iDeCo | 1000万円 | 一括受取 | 6,471,200 |
ケース8 | iDeCo | 1000万円 | 5年分割 | 5,334,100 |
ケース9 | 課税口座 | 1000万円 | 全額売却 | 6,739,300 |
iDeCoでは運用資金の受取り方で納税額が変わってきますので、退職金の有無や額と合わせて総合的に検討することでさらに節税効果が上がります。
シミュレーションの前提条件は以下の通りです。
- 40才、年収400万円(所得税率5%)のサラリーマン
- 扶養家族ナシ
- 60才で定年退職(退職金あり)
- 毎月23,000円の積立投資を20年間行い、運用利回りは5%
- 65才までは収入ナシ(貯蓄の取崩)、65から年金月額15万円を受給
- 40才から65才までの所得税と住民税の概算額を試算
利回り5%商品に毎月2万円を20年間積立てた場合の試算はこちらでできます。
退職金と運用口座・資金化の方法の違いで9パターンの納税総額を試算ました。
- 退職金はゼロ、500万円、1000万円の3パターン
- 資金化の方法は次の3パターン
- iDeCoで退職時一括受取り
- iDeCoで退職時から5年間の分割で受取り
- 課税口座で退職時に一括売却
iDeCoでの受取り方の有利・不利は次の条件で変化します。
- 退職金がいくらか?
- 勤続年数が何年か?(退職所得控除がいくらか?)
その人の固有の条件になるので、やはり一概にどちらが良いとはいえません。
しかし、退職金が多い方は分割受取りを選択した方が有利になるケースが多いですね。
ちなみに私は退職金がそれほど多くないので一括受取りを選択しようと思っています。
課税口座は20年後の運用益に約78万円ほど課税されているので、すべてのケースで最も不利という結果になりました。
ケースによっては100万円の節税メリットがあるので、積極的にiDeCo使いたいですがその前にデメリットも確認しましょう。
iDeCo(イデコ)のデメリットは?
iDeCoの最大のデメリットは掛金が原則60歳まで掛金を引き出しできないことです。
公的年金の不足分を自助努力で補うための制度であるため、原則60歳まで掛金を引き出すことができません。
しかし、このデメリットは老後の資金を効率的に準備するという目的からはメリットとも考えることができます。
仕組みを理解して正しく利用すれば、iDeCoは老後の生活を豊かにするには非常に有効な制度です。
住宅購入やお子様の進学などのライフイベントを十分に検討してからiDeCoをはじめましょう。
最後に
iDeCoは税制優遇という大きなメリットがある一方で、60歳まで資金を引き出せないという大きなデメリットもあります。
しかし、そのデメリットは老後資金の準備という目的からはメリットであるとも言えます。
また、掛金は月5,000円からで掛金の変更や停止・再開も可能です。
20年後、30年後を見据えてiDeCo(イデコ)をはじめてはいかがでしょうか。
iDeCo(イデコ)をはじめるならSBI証券がオススメです。
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