【初心者向け】長期投資で失敗しないためのリスク管理

資産運用
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【初心者向け投資の勉強】前回までのおさらい

 

1.全世界の経済活動に資金を投じることでお金が増えて行きます。

【初心者向け投資の勉強】投資でお金が増える仕組み

2.投資信託を利用すれば手軽に全世界へ投資をすることができます。

【初心者向け投資の勉強】資産形成におすすめの投資信託とは?

3.しかし、全世界の経済成長は年間2%~5%程度で、すぐにはお金は増えません。

【初心者向け投資の勉強】投資は長期的に取組むもの

そのため投資で資産形成を行うためには、10年単位の長期間で考える必要があります。

長期で資産形成に取組むためには「続けること」が重要で、長く続けるためには自分のリスク許容度を知ることが大切です。

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長期投資は評価額の変動幅に注意が必要

投資初心者が失敗する典型的なパターンは以下の通り。

  1. 期待リターンの高い商品を購入しウキウキ
  2. 相場の暴落で大幅な含み損ガーン
  3. 含み損に耐えられなくなり売却 → 投資って怖い!!

このパターンを避けるため、「儲けるよりも負けないこと、恐怖で売却しないこと」が何よりも大事です。

投資ではリターンにばかり気がいきがちですが、投資は10年スパンの長期に及ぶもの。

長期間投資をしていれば、相場が上昇している時もあれば、相場が暴落し恐怖を味わうこともあります。

上昇局面は問題ありません。

しかし、相場の暴落ともなれば、頭では相場はいつか回復するとわかっていても心理的に耐えられなくり売却してしまうことがあります。

狼狽売りと言われるヤツですね。

そのため、まずは暴落時でも売却せずに運用を継続できるように、自分はどこまでの下落であれば耐えられるか?をイメージしましょう。

例えば投資した額が100万円で、

  • 10万円下落して90万円になってしまったら?平気かな?
  • 30万円下落して70万円になってしまったら?まだ大丈夫?
  • 50万円下落して50万円になってしまったら?もうムリ?

それぞれ、イメージして下落が気になって仕事が手につかなかったり、夜眠れなくなったりするかも?と思ったらリスクを取りすぎです。

投資は価格変動のある商品へ資金を投じることなので、長期投資の間には必ずと言っていいほど元本割れを経験することになります。

元本割れをする前提で、どの程度までなら下落に耐えられるか?イメージしてください。

リスクとは、価格変動の幅を言います

一般的に「リスク」とは「危険」と訳されるケースが多いですよね。

しかし、投資で使われる「リスク」とは、価格変動の「幅」を指します。

価格はプラスにもマイナスにも変動し、このフレ幅の大きさをリスクと言います。

リスクが大きな商品はプラスのフレ幅も大きいので、儲けが大きくなる可能性も十分あります。

しかし、同じフレ幅だけマイナスになる可能性もあるので、下落時をしっかりとイメージして取れるリスクを決めてください。

耐えられる下落幅が決まれば各資産クラスにどの程度のフレ幅があるのかを確認しましょう。

各資産クラスのリスクと計算の方法

各資産の20年間のリスクと期待リターンは次の通り

日本先進国新興国
株式リスク17.4%
リターン1.9%
リスク19.1%
リターン5.2%
リスク23.5%
リターン6.7%
債券リスク1.9%
リターン1.8%
リスク9.4%
リターン5.5%
リスク12.1%
リターン8.0%
リート
(不動産)
リスク18.3%
リターン7.5%
リスク21.0%
リターン9.0%

リスクの大きさは一般的には以下のようになります。

資産別:株>不動産>債券
地域別:新興国>先進国>日本

リスクは最大でも新興国の株式の23.3%なので、少し安心したかもしれませんが…

これはリターンを中心にしてリスクの幅でおさまる確率が68.3%ということを表しています。

要するに、

日本の株式を例に具体的に計算すると、68.3%の確率で、リターン+1.9%を中心にして-17.4%~+17.4%の幅まるので、フレ幅は-15.5%~+19.3%を表しています。

フレ幅を2倍にすると95.4%の確率となりますので、一般的はリターン-リスク×2で最大リスクを算定するケースが多いです。

これを式にすると、

フレ幅=リターン+リスク×2~リターン-リスク×2

もう一度、日本の株式で計算します。

1.6% + 17.4% × 2 = 36.4% ~ 1.6% - 17.4% × 2 = -33.2%

日本株式への投資は「-33.2%~36.4%の範囲で価格変動が95.4%の確率でおこる」ということを表しています。

すなわち、最大-33.2%まで下落する可能性があるということです。

さらに、95.4%の確率の壁を乗り越えて、それ以上下落する可能性も十分あります。

リーマン・ショック時にアメリカの株式指数S&P500は-57%だったと言われておりますので、先進国株式のリスク(5.2%-19.1%×2=-33.0%)の確率の壁を乗り越えて発生した暴落でした。

しかし、100年に1度の暴落と言われている通り、そうそう起こるものでは有りません。

投資のリスクを考える上では、95.4%の確率を想定していれば十分かと思います。

最後に

投資は「市場から退場させられないこと」が何よりも大事です。

投資を始めた頃はバラ色の未来を想像してリターンに注目してしまいがちですが、投資は何よりも続ける事が大切です。

リターンに注目して値動きの大きなリスクの高い商品を購入すると、価格が上下に大きく動きます。

価格の上昇局面では問題ないのですが、下落局面ではその値動きに心理的に耐えられなくなり投資を続けるのが苦痛になるケースがあります。

そこで、投資を辞めてしまうのは非常にもったいない。

なので、自分のリスク許容度を把握してその範囲内で投資を行ないましょう。

おすすめの書籍を紹介しています。こちらもぜひご覧ください。

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