税効果会計とは?

会計・税務
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株式投資をするときに有価証券報告書や決算短信をみる機会があるかと思います。

そこで、繰延税金資産や法人税等調整額といった税効果会計の項目が出てきますよね。

以前、会社の偉い人に税効果会計について説明したことがありました。

少しでも税効果会計が理解できれば財務諸表の理解に役立つと思い、手直ししました。

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税効果会計とは

会計と税務の相違点を調整するための「会計基準」です。(税法ではありません。)

税効果会計を正しく理解するためには、まず、以下の2つを理解する必要があります。

  1. 会計上の資産と負債とはなにか?
  2. 会計上の利益と税務上の所得の違い

では、詳しく説明します。

会計上の資産と負債とはなにか?

会計上の資産と負債は企業会計基準委員会が公表した討議資料「財務会計の概念フレームワーク」で以下のように定義されています。

資産とは、過去の取引または事象の結果として、報告主体が支配している経済的資源をいう。

負債とは、過去の取引または事象の結果として、報告主体が支配している経済的資源を放棄もしくは引き渡す義務、またはその同等物をいう。

はい。

意味不明ですよね(笑)

要約すると、

  • 資産とは、将来、現金収入するもの又は現金支出が減少するもの
  • 負債とは、将来、現金支出するもの

をいいます。

金持ち父さん貧乏父さんの著者のロバート・キヨサキさんと同じ事を言ってます。

会計上の利益と税務上の所得の違い

会計上の儲けを「利益」といい、税務上の儲けを「所得」といいます。

税金は、税務上の儲けの「所得」に税率を乗じて計算します。

「利益」と「所得」はそれぞれ以下のように計算され、

利益 = 収益 − 費用
所得 = 益金 − 損金
税金 = 所得 × 税率

「収益」と「益金」「費用」と「損金」はほぼ同じなのですが、会計と税務の考え方の違いにより計上時期が異なる部分が多少あります。

会計はある程度の「見込み」で計上が可能ですが、税務は原則「見込み」段階での計上は認めらず「確定」した段階で計上が認められます。

なので、会計上は今期「見込み」計上した「費用」が、税務では認められず「確定」した時の「損金」になるものがあります。

この、会計上は今期の「費用」だけど税務上は来期の「損金」になるものがポイント。

来期以降に「損金」になるものは、来期以降の「所得」が少なくなり来期以降の「税金」を安くする効果があります。

将来の損金は「税金」という現金支出を減らす

もう一度、会計上の資産とは?を確認します。

資産とは、将来、現金収入するもの又は現金支出が減少するものでした。

そして、来期以降に「損金」になるものは、来期以降の「税金」という現金支出を減らすことができました。

なので、来期以降に「損金」になるものは会計上の「資産」の定義にピッタリとハマっています。

結論、将来の税金が減る金額を資産として計上する、これが税効果会計です。

まとめ

現金が入ってくるもの、現金支出を減らすものが会計の資産です。

会計と税務の考え方の違いで、会計上は「見込み」計上している「費用」が、税務では「確定」していないため「損金」にできないものがあります。

このような会計と税務の計上タイミングのズレにより、将来の税金が安くなる項目(現金支出を減らすもの)が生じます。

これを資産として計上するのが税効果会計です。

説明を割愛した部分もありますので、全て正確に説明できていないかもしれませんが、少しでも皆さまの理解に役立ては嬉しいです。

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